映画「Ten Minutes Older : The Trumpet」(2002)2011/03/01

Ten Minutes Older : The Trumpet (2002)
10ミニッツ・オールダー : 人生のメビウス。アカデミー賞の発表や、友人 I 氏のブログの影響で本日は映画の話。本作は「時間」をテーマに著名な7人の監督が製作した10分間の短編をまとめたオムニバス映画。結婚、誕生、進化、孤独、死、運、郷愁、誰の人生にも訪れる7つの出来事を10分という僅かな時間に凝縮させ描いた7つの話は、何気ない普段の生活の中にこそ、大切なことがあるとあらためて気付かせてくれる。こういったオムニバス映画はいろいろあるが、この作品の何が凄いか、素晴らしいか、は参加した映像作家の顔ぶれにある。余計なことは何も言うまい、言わな判らん、が以下の名前が示す通りである。
・アキ・カウリスマキ「結婚は10分で決める」、
・ヴィクトル・エリセ「ライフライン」、
・ヴェルナー・ヘルツォーク「失われた一万年」、
・ジム・ジャームッシュ「女優のブレイクタイム」、
・ヴィム・ヴェンダース「トローナからの12マイル」、
・スパイク・リー「ゴアVSブッシュ」、
・チェン・カイコー「夢幻百花」。
ヒュー・マサケラのトランペットのテーマ曲も恰好いい。ややこしいが、後になって製作された「Ten Minutes Older : The Cello(邦題 イデアの森)」、ベルトルッチ、ゴダールを含む8人の監督作品と対になっている(後日また)
中から好きなヴィクトル・エリセ監督の「Lifeline」(苦手な方も僅か10分間我慢して)是非ご覧あれ、私には全てがたまらない。
http://www.youtube.com/watch?v=Y2gWkQiUn0o
http://www.youtube.com/watch?v=a4ovQDfCwZU

時折「どんな映画がお好きですか?」と尋ねられる、何とも難しい質問に「少なくとも何とか賞授賞作品では無い」と答える天の邪鬼なオヤジである、音楽しかり。
でもナタリー・ポートマンの「Black Swan」主演女優賞は何より、こちらも後日また。

映画「Ten Minutes Older : The Cello」(2002)2011/03/02

Ten Minutes Older : The Cello (2002)
10ミニッツ・オールダー : イデアの森。続けて書かないと忘れて埋もれてしまうので昨日の続編を紹介。テーマは同じく「時間」、過去、現在、未来、遥かなる時空を超えて「時間の謎」を解き明かす。よりマニアックな有名無名(私が知らなかっただけ)の8人の巨匠監督たちの映像作品は、同じ10分でありながら深い味わいのある話だったり、時間というものの不思議さに改めて感動したり、やっぱり難解で1度じゃ理解できなかったり、で8通り楽しめる。広告文に「映画を知りたきゃ、コレを見ろ」とあった、らしいタイトルは容易に映像まで想像でき、ベルトルッチはベルトルッチだし、ゴダールも絶対にゴダール、各監督の作品見本と観るも佳し。はっきり好き嫌いが分かれるけれど10分の我慢、とりあえず「観ず嫌い」は無くなるかも。
・ベルナルド・ベルトルッチ「水の寓話」、
・マイク・フィギス「時代×4」、
・イジー・メンツェル「老優の一瞬」、
・イシュトヴァン・サボー「10分後」、
・クレール・ドゥニ「ジャン=リュック・ナンシーとの対話」、
・フォルカー・シュレンドルフ「啓示されし者」(「ブリキの太鼓」が有名)、
・マイケル・ラドフォード「星に魅せられて」、
・ジャン・リュック・ゴダール 「時間の闇の中で」。
こちらのテーマ曲はクラウディオ・ボルケスのチェロ、たゆたうように優雅。
「YouTube」にほとんど全作アップされているようだ。中からマイケル・ラドフォード監督の「Addicted to the Stars」好きな「Il Postino」とは随分違う印象だけどやっぱり切ない、演じるのはあのダニエル・クレイグ氏。
http://www.youtube.com/watch?v=YfxJtjSz16M
http://www.youtube.com/watch?v=LTtStKOnow8

Nellie McKay - Get Away From Me (2004)2011/03/03

Nellie McKay - Get Away From Me (2004)
ネリー・マッカイ。大阪の気温は5度、凄く寒いけれど「ひな祭り」ということで。ロンドン生まれ、NYハーレム育ちの超個性派で、天才シンガー・ソング・ライターとの呼び声高い、ネリー嬢のデビュー作(リリース時若干19歳!)。ジャズ?、ヒップホップ?、ファンク?、キャバレー・ポップ調のミュージカル風(ティン・パン・アレイ)サウンド?、怖ろしいほどに幅広い音楽性、鋭い歌詞を独自の感性で融合した個性的な楽曲、それらをしっかり表現しうる並外れた才能の持ち主。ドリス・デイの様で、デートリッヒの様で、エラ・フィッツジェラルドの様なしっとりとした歌唱も披露、スタンダードもノスタルジックな曲も歌ってのける、北欧やカナダ出身ばかりが目立ってた近年、久々に期待すべき米(英)の女性シンガー。2作目、3作目と勢力的にリリース、相変わらずのヘンテコぶりは健在だけど、私はこのアルバムが好き。耳当たりの良いBGMに最適なヴォーカルばかりの昨今、それも大好きなのだが、我が娘と変わらない歳の娘っ子に不覚にもトキメク、もっと売れて欲しいと願う。
http://www.youtube.com/watch?v=6q6HKiF83aI
http://www.youtube.com/watch?v=6pyhW1n51Xc
http://www.youtube.com/watch?v=SHve4uTqvvY
ジャケットもそのまんま、ヘンテコで元気な娘っ子が弾む。★★★

Doky, NhØp, Riel - Misty Dawn (1994)2011/03/04

Doky, NhØp, Riel - Misty Dawn (1994)
Personnel
Niels Lan Doky (p), Niels-Henning Ørsted Pedersen (b), Alex Riel (ds).

ニルス・ラン・ドーキー、ニールス・ヘニング・オルステッド・ペデルセン、アレックス・リール。古いアルバムだけどデンマークのベテラン・プレーヤーのトリオ作品。3月になったというのに今日も寒い、で寒い日に欠かせない隠れた名盤。かの地に憧れ、暖房など入れずに息が白くなるほど冷えた部屋で聴くのが私流。冒頭「Ach Varmland Du Akona」(Dear Old Stockholm)の澄み切った透明感がたまらない。ニルス・ラン・ドーキーのピアノは美しく、リリカル、メロディアス、ロマッテックといった言葉がよく似合う。そしてこういう音に欠かせないのがペデルセンのベースであり、リ−ルのドラム。柔らかく滑らかに、時にはスピードを増し、時には優しくソロで奏でて、先手、先手で盛り上げていく。他にも「いそしぎ」、タイトル曲「Misty Dawn」も秀逸。本作で北欧ジャズが大好きになった始まりの作品でもある。近年はドーキー、リールとベースがピエール・ポサーゲで「トリオ・モンマルトル」として活躍中、これも良いのでいつかまた。
http://www.youtube.com/watch?v=JXMjjzR2Et4
ジャケットは「Waltz for Debby」くらい美しい、と思う。★★★

Tsuyoshi Yamamoto Trio - Misty (1974)2011/03/08

Tsuyoshi Yamamoto Trio - Misty (1974)
Personnel
山本 剛 (p), 福井 五十雄 (b), 小原 哲次郎 (ds).

山本剛 / やまもと つよし。唐突だけどコレが聴きたくなった、ので、随分古いアルバムだけど山本剛トリオのスタンダード集で名盤。ジャズを聴き始めの頃にどこかのジャズ喫茶で知り、暫く夢中になった和製ピアノトリオ、何処が好きかってテクニック云々というよりたぶん日本人にしか感じ取れない様な、何とも言えない間(ま)、歌心が素晴らしい。支えるリズム隊も極上の仕事ぶりで心地良し。有名過ぎるスタンダード曲を演奏してもこのトリオにはオリジナリティが感じられるし、宝石をちりばめたような1曲目「ミスティ」は美しさの極地。 高音のピアノソロから入り、三人の音が揃う瞬間は鳥肌が立つほど、他に「Smoke Gets in Your Eyes」「Yesterdays」もたまらない。何となく冬を感じさせる本作は寒い季節の定番であり、音に酔い酒に酔う為のジャズアルバム。今も現役でご活躍のようで嬉しい限りである(暮れのライヴを知っていたが仕事で行けなかったのが悔やまれる)
http://www.youtube.com/watch?v=anpeSsMLbyc
http://www.youtube.com/watch?v=Lq_pGzf_LtY
ジャケットの隅のレーベルマークのネズミが懐かしい。★