兵庫県立美術館「カンディンスキーと青騎士」展2011/06/06

兵庫県立美術館「カンディンスキーと青騎士」展
梅雨の合間 土曜日は程よく晴れたので、やっとカンディンスキー展を見てきた。
ワシーリー・カンディンスキー/ Wassily Kandinsky (1866-1944) は美術史や美術論の講義に必ず出てくる名前であり、学生の頃 著書「点と線から面へ」とヨハネス・イッテンの「色彩論」は否応無く購入させられたが、レポートの為に斜め読みした程度で本棚の隅に。今回の展覧会はそんな頃の怠惰さから生じた「カンディンスキーは難解」との誤解が解消され、途切れてた線と点が繋がった。氏と青騎士同志達の鮮やかな色彩と大胆な線、フォルムは驚くほど現代的、まるでピーター・マックスのようなポップさ(例えが古くロック寄りなのはご容赦)は、20世紀初頭、激動の時代の重苦しいドイツ ロシア絵画じゃなく、現代的なモダンアート。カンディンスキー氏はマルチ・アーティストの先駆けあり、ジャンルを越えて絵画の範囲を拡張した人、時代を大きく変えるアーティストだったのである。美術や音楽を楽しむとき「理詰め」で観たり聴くことほどナンセンスなことは無いと思っている、突き詰めれば「好き嫌い」の世界であるので。 だけれど、巨匠の作品は彼の 彼等の 芸術が誕生した背景を僅かでも理解した上で観ると、輝くような色彩に対して、そして具象から抽象への制作の変化の過程についての、歴史的評価や重要性のいくらかは理解できる。 今回は時間をかけて足が棒になるほどゆっくり観た。帰り道、阪急王子公園駅に向かうだらだら坂には草臥れたが、何時行っても兵庫県立美術館は日差しと風が気持ちよい。
http://www.youtube.com/watch?v=1IdMJVrTgTE

Stevie Nicks - In Your Dreams (2011)2011/06/03

Stevie Nicks - In Your Dreams (2011)
スティーヴィー・ニックス。今日も懐かしい名前、フリートウッド・マック黄金期を支えソロとしても数々の世界的大ヒット 及びグラミー賞 他、数多く受賞してきたロックの妖精?(そう呼ばれた頃から聴いていた)、共同プロデュースに あのデイヴ・スチュワートとグレン・バラード(デイヴ氏との相性は?)を迎えての10年ぶりの新作。カントリーっぽい泥臭ささも、英国風の幻想的雰囲気も備えた、、ブルージーなポップロックは期待通りのスティーヴィー節。彼女は今年63歳になるそうである、とても還暦を過ぎたとは思えない歌唱は偉い。リンジー・バッキンガムやデイヴ氏とのデュエットもあり なかなかの出来栄え。独特の小悪魔ヴォイスも渋くなり(悪くいえばダミ声になった)、だから落ち着いたバラードがなんとも味わい深いのかも。その昔、彼女に出会ったのはマック加入前の「バッキンガム・ニックス」大胆なジャケットを覚えている。PVを見るといつの間にか小悪魔からゴスロリの大魔女に変貌、貫禄のお姿に月日の流れを感じざるを得ない、それにしても豪華なPVは売れてる証し。
http://www.youtube.com/watch?v=lNL8aAw6IQA
http://www.youtube.com/watch?v=JjyAasrR-5M
http://www.youtube.com/watch?v=vFZvzMaMVzo&
ジャケットはメルヘン風、こんな時代が確かにあったけど上手いレタッチ。★★★

番画廊で「塚本裕子展 -偶然の森-」を見てきた。
塚本氏はイタリアはミラノの工房を拠点に活動する美術家、和紙の達人で墨絵や銅版画など多彩(妻の親友だから知っている)相変わらずお元気で魔女のように魅力的である(悪い意味では無い)。今展は珍しくメゾチントの小品、残念ながら明日4日まで 是非ご覧あれ。

漫画家、村野守美さんの訃報。2011/03/09

「草笛のころ」カバー
「草笛のころ」カバー。

むらの もりび、漫画家。その昔、高校〜大学生の頃、漫画雑誌「COM」「ガロ」で知りファンになった、今も夢中で読んだ頃の瑞々しさを覚えている。氏は手塚治虫さんに師事、虫プロダクションに入社し、漫画家で、アニメーターで、アニメ監督でもある。漫画の代表作は「草笛のころ」「さんささかやの」「龍神」「媚薬行」「垣根の魔女」など。絵はデッサン的、解剖学的な正確さではなく、独特のデフォルメされた動きのあるタッチ、強弱のあるシンプルで達者な線、流石は虫プロ出身。白場を巧く活かした構成は、ヨーロッパ映画のように鋭い演出感覚で、叙情的な作風は唯一無二な世界。作品に登場してくる少年や若者は 輝くように純真で、女性は花恥ずかしく、妙に艶やかで魅力的、描かれる人物もどちらかと言えば社会的にダメだと言われている人間なのにも魅かれてしまう。どおってこと無い話なのに引込まれ、何とも言えない「懐かしさ」が感じられ、「見えないものを見せる」作家だったと思う。今の10代、20代の人たちが読んでどう感じるか解らないが・・・。まだまだ69歳、残念、ご冥福をお祈りします。
動画は何となく 手嶌 葵さんの「Winter Light」
http://www.youtube.com/watch?v=M11Q5rMgPaU

冠の「ウフィツィ」につられて国立国際美術館。2011/02/19

Elisabeth Chaplin「緑の傘を手にした自画像」
Elisabeth Chaplin「緑の傘を手にした自画像」1908年頃

先日、ウフィツィ美術館の自画像コレクションを見てきた。終了間近だから空いてるだろうとの予測は外れ(終了間近だから混む)、開館すぐというのにえらく盛況、こんなに人気の展覧会だったっけ? 観察するに場違いな(失礼)団塊の世代らしき年配の方が多い、若者 学生 子供はほぼいない 何故なんだろう?不可解、そこに溶け込む私がいる。妻いわく「『友の会』の特典で無料で観覧できるからじゃないの?」なるほど。
内容は「フィレンツェのウフィツィ美術館が所蔵、日本初公開」に勝手に期待したのだけれど、レンブラント、アングル、シャガール、、、確かに巨匠の絵には違いないけれど、うぅ〜ん、地味だし退屈。立ち止まってじっくり見たい絵はほとんど無い、ふう〜ん、そうなんだ ですぐ見終わってしまった。むしろ別フロアの「日本美術1950-2010」の久々に見る原画に、へえ〜ぇ、こんなにデカかったんだと感心。ガラガラな美術館よりは活気があって良いのかなと思いながら、天気も良かったし少し暖かかったので周辺をあても無くブラブラ、川面を渡る風も穏やかで心地よい、ずう〜とこうしていたいけど、、、いつの間にか目的は絵画鑑賞から散歩に変わっていた。
http://www.youtube.com/watch?v=vVHK0zkWm_0

横尾 忠則 全ポスター 展2010/08/26

横尾 忠則 全ポスター 展
やっと空いてきたようなので、国立国際美術館で開催されている「横尾忠則全ポスター展」に行ってきた。その昔、私が中学の頃、日本にもイラストレーターという方々が華々しく登場した、横尾忠則さん、宇野亜喜良さん、伊坂芳太郎さんの3人。彼らの出現はド田舎の中学生にもセンセーショナルで、イラストレーションやグラフィック・デザインに憧れる始まりとなり、以降多大な影響を受けた。今回の展覧会は広範囲にわたる横尾氏の仕事の中でも、常に創作活動の中心にあったポスターに焦点をあてるもので、1950年代から、現在に至るまでの、約60年間に制作された全ポスター約800点を一堂に展示する画期的な個展。何とも圧倒的で凄過ぎる全ポスターに加え、下絵、版下等の展示も興味深く、氏の大胆かつ緻密な仕事ぶりは、想像以上に奥が深い。「ぼくは常に今のぼくしか知らない。昨日のぼくも明日のぼくもいない。いるのは今のぼくだけだ。」は最近のツイッターでの言葉、なるほどである。
http://www.youtube.com/watch?v=HLFn5WjZulY

憧れたイラストレーター、宇野亜喜良さん、伊坂芳太郎さんも当時の音楽と私の中ではリンクしている。お2人の話もいつかまた。