Luba Mason – Krazy Love (2009)2012/03/01

Luba Mason – Krazy Love (2009)
ルバ·メイソン。スロバキア出身のシンガーの1st、ブロードウェイで活躍する女優でもあり、パナマの音楽家でラテンのスーパースター ルーベン·ブレードの細君である。スロバキアとパナマとブラジルだと何か妙な音楽?と感じるだろうが、これがなかなかステキな味わいのサウダージ作品に仕上がっている。ラテンやジャズのリズムと彼女の古典的な声とのブレンドは、文字通りに現代のクロスオーバー、ジャズ·ヴォーカル·ブラジル風。作品の中心はジョビン、イヴァン·リンスのボサノヴァなどのブラジリアン·ポップスや、ラテン·アメリカのリズムをベースにしたMPB、そのサウンドは軽やかで最高にお洒落。夫ルーベンとの睦まじいデュエットはペドロ·カエターノ作「E Com Esse Que Eu You」は粋なピアノあり たゆたうようなボッサのリズムありの今時のキャッチーな仕上がり。ラテンのリズムをミックスしたポップなオリジナルや、シコ·ブアルキの「Olhos Nos Olhos」には、まどろむような気怠い春眠誘う調べあり、全編彼女の魅惑的な歌唱はブラジル音楽の官能的な世界をも表現。バッキングは昨日の作品でも登場の売れっ子サンドロ・アルベルトとジミー・ハスリップ他、あのヒューバート·ロウズも客演、70年代CTIの伝説のフルートも蘇る。まぁ春よりも夏に似合うのかもしれないが、どこか感傷的で良質なジャズ·ヴォーカル作品である。
http://www.youtube.com/watch?v=R7kAU_cWeXM
http://www.youtube.com/watch?v=PRAGMofLgY4
ジャケットはフレンチの薫り?ソファーの猫の表情が印象的。★★

Patricia Talem - Patricia Talem (2009)2012/02/29

Patricia Talem - Patricia Talem (2009)
パトリシア・タレム。サンパウロを拠点とする新しい歌姫の1st(新作も出ているがコレから)。美しい容姿はもちろん色香漂うヴォイスと、しなやかなアコースティック・ブラジリアン・サウンドも清々しい初春らしい1枚。魅力的なネオ·ボサノヴァ・サウンド、ミナスのフォーキー・テイストからブラジリアンAOR、メロウなスタイルが耳に優しく最高に心地良いアルバム。基本ジャズとサンバで大半はジャズ·バラードである。ソフトなボッサ・サウンドに彼女の優しく語り掛けるようなヴォイスが絡むと夢見る様な明るい気分。何より彼女のミッドレンジの声と、歌心と表現力がひとつになった稀有な才能を感じさせる歌唱が素晴らしい。全編ポルトガル語で歌われるが、ジャズ・スタンダードの英詞曲までが違和感なくナチュラルにバランスよく聴ける。プロデュースはドラマーのマルコ・ダ・コスタ、支えるのはギタリストのサンドロ・アルベルト、ピアノはラッセル・フェランテ、ベースはジミー·ハスリップ、他 MPB最高のバンド。このまま春が来るとは思えないが昨日と違いボカポカ暖か、窓から入る陽光が違ってきたのは春の萌し、本作はこんな日用に取って置いた1枚である(とは言っても陽が沈むと寒くなった)。美しい音楽、美しいフレージング、素晴らしいアレンジは私を魅了する、録音も凄く良い。
http://www.youtube.com/watch?v=ioPWZ11VGSI
http://www.youtube.com/watch?v=s2j9-bAiR04
http://www.youtube.com/watch?v=bFf8mK_ioDc
ジャケットも素敵だ、レイアウトもフォントも良いセンス。★★★

Nara Leão - Dez Anos Depois (1971)2012/02/25

Nara Leão - Dez Anos Depois (1971)
ナラ·レオン。原題「10年後」(邦題「美しきボサノヴァのミューズ」)ボサノヴァから遠ざかっていたナラが亡命先のパリで女性ギタリストのトゥッカを伴い録音したボサノヴァ集。「ジサフィナード」「メディテーション」「ヂマイス」「ワン·ノート·サンバ」「白と黒のポートレイト」「コルコヴァード」「イパネマの娘」「想いあふれて」などなどジョビン、カルロス·リラのナンバーを中心に収録。その昔深くボサノヴァを好きになった元はゲッツとジルベルトの「イパネマの娘」じゃなくコレだと思う、昔からミーハーだけど天の邪鬼な私は、癖の無いアストラッドよりもナラに惹かれた。全編 陰影に富んだ深みのある歌唱はもの静かで落着いた印象だが決して陰鬱な重さは無い、ナラの美しい歌声でつづられる優しく上品なメロディーはいま聴いても瑞々しさを失わず心に深く染みる。1964年1stリリース、その頃から反政府的なプロテスト·ソングを歌うようになり当時の軍事政権からの圧力でフランスに亡命(僅か40余年前の信じがたい話)。遠く離れた故郷と音楽仲間に囲まれていた懐かしい少女時代に思いをはせる、郷愁と哀愁それこそがサウダージ、言い尽くせない切なさとノスタルジーが漂っているよう。71年パリ録音、当時流行りのフレンチポップス然としたナラのかわいい?面も聴き逃せない。今日は冷たい雨の1日、ジャケ写真も示す通り冬に似合うボサノヴァである。
http://www.youtube.com/watch?v=uZ-UJckeZMo
http://www.youtube.com/watch?v=4_WAtq0DV8U
http://www.youtube.com/watch?v=5hkpQFKvJ9E
ジャケットはパリの街角で雪にたたずむナラ、モノクロームが佳い。★★★

「迷惑メールの対策はどうしている?」と知人からよく尋ねられる。
私は随分以前から加入しているプロバイダーの自動ブロックサービスと、受信の許可·拒否を個別に指定出来る機能の2重のフィルターを施している為、メーラーの受信ボックスに入る事はまず無い。タマに迷惑メール用のボックスを覗くと大量のスパムメールが在りセキュリティ機能の優秀さに感心する、と共に送り手の繰り出すあの手この手の仕掛けも虚しく感じられ何だか気の毒な様な気もする。
このブログのコメント欄では他に有効な手段が無くお手数をおかけしているがお許しあれ。

Argelis Lewis - Prescience (2008)2012/02/24

Argelis Lewis - Prescience (2008)
Argelis Lewis (g,vo),  Gary Lewis (fl,sax),
Ken Anoe (b), Steve Cristofferson (p), Alan Talpinian (ds).

アルジェリス·ルイス。今日は快晴で暖かだった、こんな日はラテン系の素敵なボッサ·ジャズが好い。アルジェリスはほとんど知られてないだろうが、中米パナマ出身のクラシック・ギタリストでシンガー。自身のHPによると他にもフルート、ヴァイオリン、ピアノもこなす才女でパナマの国立音楽院から学位も取得、国立交響楽団とナショナル·ギター·オーケストラの一員であり、歌手としても室内合唱団と共演しているらしい。現在はカリフォルニアに渡りサンフランシスコを拠点に精力的に活動中、本作は2ndで、全曲オリジナル作品、英語とスペイン語で歌われるボサノヴァもイイ感じ。奏でるギターの音色も多彩で瑞々しく、歌声は昨今では珍しいウィスパー・ヴォイス、たどたどしくも妙に艶っぽく魅力的。バッキングはポートランドを拠点に活躍するピアノ・トリオが全編通してスキのない演奏、客演のテナーとフルートがアクセントになり、少々トレンドとズレてはいるがジャジィなまったり感は耳に優しく甘美。純ボサノヴァ、スィング系ジャズ、アグレッシヴなサンバ系ジャズ、しっとり歌い上げるバラード、全編ラテン特有の柔らかいメロディが曲毎に表情を変え、幾通りものテイストをバランスよく融和させ聴く者を飽きさせない。残念ながら関連動画が見つからない、新作もリリースされているらしくそちらをお聞きあれ。
http://www.youtube.com/watch?v=YtZWupmLjHg
http://www.youtube.com/watch?v=tPhcaBjxUCM
http://www.youtube.com/watch?v=Ru2iGIiWZCE
ジャケットは(PVでも)猫が登場、地味過ぎる、これじゃ触手は動かない?★★

春めいた陽光にオヤジの長髪は見苦しく珍しく暖かいので思い切って散髪をした、今回もまずまずの出来映え、セルフ散髪もすっかり慣れて30分程度で仕上がるようになった、はたして家族は気付くだろうか?

Bettina Korall – Maysa Por Betina Korall (2009)2012/02/22

Bettina Korall – Maysa Por Betina Korall (2009)
ベッティナ・コーラル。同じくサンパウロのカントーラ(女性歌手の意)による、先日紹介したマイーザのカヴァー集。初期マイーザのオリジナルからジョニー·アルフの「Eu e a Brisa」、オスカー·カストロ·ネベスの 「Eu Sei Que Vou Te Amar」、 トムとヴィニシウスの「Morrer de Amor」、ドロレス·デュラン「A Noite do Meu Bem」、、 そしてミシェル·ルグランの名曲「What Are You Doing the Rest of Your Life」をセレクト。ベッティナ・コーラルの詳しい事は知らないが本作だけでも歌の上手さは聴き取れ、マイーザ往年の「夜のカンソン」然とした歌いっぷりは見事にマイーザの世界観を再現している。微妙にシャンソン寄りな解釈と歌唱も好ましい。昨日書いた様にオリジナルは録音も演奏も古すぎ、マイーザの場合は更に重く深いので聴く側のコンデションも影響し覚悟して聴かねばならない、ので彼女の生涯に思いを馳せること無く楽曲の良さを楽しむのに最適。ディレクション、アレンジ、ピアノ伴奏はマリーニョ・ボッファ(一時期ブラジリアン・フュージョンの アジムスに参加していた)のピアノもジャジーにしっとりと聴かせる、歌伴はこうあるべき。
http://www.youtube.com/watch?v=QDApySLx95w
オリジナルのマイーザ「Meu mundo caiu」と聴き比べるのも一興。
http://www.youtube.com/watch?v=eV4FIaJtHAY
ジャケットの印象的なアートワークも、まさにマイーザそのもの。★★

もう1枚お気に入りのマイーザのカヴァー集に マダレンナ/Madalenna の2ndがある、これも秀作、ユーチューブにも数曲上がっておりよりポピュラーなのかも知れない。