TV映画「名探偵ポワロ/Agatha Christie's Poirot」(1989〜)2012/02/09

Agatha Christie's Poirot
名探偵ポワロ。今週BSで放映されている人気シリーズ(勝手に思っている)アガサ・クリスティ原作による探偵エルキュール・ポワロを主人公とした探偵ドラマ。ほとんどTVドラマを観る事は無いが、この1989年から始まった英国制作(London Weekend Television)のシリーズだけは欠かさず観ていると思う。原作を重んじた丁寧な作りは非常に完成度が高く、時代考証をきっちりと行ったセットや美術、衣装小道具全てにおいて豪華で贅沢。それはポワロの完璧なファッションであったり、アール・デコ期のインテリアの再現、さりげなく壁に掛かったレンピッカの絵であったり、車はもとより蒸気機関車やその内部、小型旅客機にいたるまで手抜きは無い。映像の中での光や色彩といった時代の色の表現も気に入っている。本国でも「最も原作に近いポワロ」と賞賛されている通り、ポワロ役のデヴィッド・スーシェ/David Suchet の演技も過去に観た誰よりも、あのアルバート・フィニーやピーター・ユスティノフよりも好きだ。何よりエレガントで愛嬌があり深い、チョコチョコ歩く姿、皮肉と高慢な物言い、時に少年の様な無邪気さもみせ、、、あげればキリが無い、吹き替えの熊倉一雄さんの独特の語り口も佳く合っている。最近のシリーズでは、助手のヘイスティングズ大尉、ジャップ警部、ミス・レモンが登場しないのは残念だが、、。さて今夜は第65話「オリエント急行の殺人 /Murder on the Orient Express」が待ち遠しい。
http://www.youtube.com/watch?v=Hmx6dQJf_rk
http://www.youtube.com/watch?v=gk5BD2NS_g0
テーマ曲「The Belgian Detective」も耳に残る、初期の分再放送しないかなぁ。

映画(DVD)「 George Harrison - Living in the Material World」 (2011)2012/01/16

George Harrison - Living in the Material World (2011)
ジョージ・ハリスン。すぐ書くつもりが今頃に、ジョージ没後10年作品として音楽映画に造形の深いマーティン・スコセッシ監督が手掛けたジョージの伝記映画。子供期〜青春期〜ビートルズ期〜インド・スピリチュアル期〜孤高のソロ期といった各年代、僅か58年の軌跡を、貴重な未公開映像や未発表音源で辿る3時間半に及ぶ音楽ドキュメンタリー。リアルタイムで知っている私でさえ始めて見る映像が多く、へぇえ、ふうぅん、ほおぉ、驚きと共に惹き入れられてしまう。ポール、リンゴ、クラプトンはもちろん、妻オリビア、前妻パティ、ラヴィ・シャンカール、ジェーン・バーキン、テリー・ギリアム、オノ・ヨーコ 他が贅沢に登場、氏のプライベートな素顔にも迫ることができる貴重な作品。映画作品的には?だが、スコセッシ流の「内なる小宇宙」を描いたリリシズムに溢れる秀作だと思う。なお編集を担当したのは「シャイン・ア・ライト」でコンビを組んだデヴィッド・テデスキ氏、巧い(こんなのこそ難しいのだと思う)。そもそも素材が大スクリーン向けの映像では無いから、じっくり繰り返し観る事ができるDVD版は観やすく、マニアじゃなくとも所有したい。他人の批評など気にしちゃ無いが、映画公開前からネットに多くの否定的なレビューが載っていた、どう観ようがどう感じようが大きなお世話、こんな解釈があっても佳いでは無いか。
http://www.youtube.com/watch?v=AGMMXK-661M
http://www.youtube.com/watch?v=L_YRmLgpT7I
カバー写真の表情がらしくて好い、レイアウトも素敵だ。★★★★

2002年11月29日「コンサート・フォー・ジョージ」のDVDも好かったのでいつかまた。

映画(DVD)「セラフィーヌの庭 / Séraphine」(2008)2011/05/30

映画「セラフィーヌの庭 」(2008)
昨日は終日台風の激しい雨と風で外出は中止、妻に勧められるまま映画鑑賞。
「セラフィーヌの庭 」は、実在したフランス素朴派の女性画家セラフィーヌ・ルイ/ Séraphine Louis(1864-1942)の半生をテーマにした注目作品。セザール賞主要7部門独占受賞をはじめ、世界各国の映画祭で多数受賞し本国では大ヒットを記録。監督はマルタン・プロヴォスト。
激動の時代1912年フランス、パリ郊外サンリス。家政婦として生計を立て、貧しくも日々黙々と絵を描くことだけが生き甲斐の女性と、彼女の才能を見出し無償の援助で支えた画商との心の交流を描いた話。森の中 草や木と対話し、裸で川で泳いだりと、切ないほどに無垢な心の40歳を過ぎた女性、怪しげな調合で絵具を自作、眠る間も惜しみ ロウソクの灯で激しく絵を描く 狂気の生き方、芸術に引き込まれる。主演のセラフィーヌ役、ヨランド・モローはフランスきっての実力派女優(知らなかった、コメディアンとしても有名のよう)、世界中で激賞された名演技、極自然に見える丁寧な演技、静かな狂気は感動を呼ぶ。
正直映画を観るまで、画家セラフィーヌ・ルイのことは知らなかったし、絵も見た事は無かった。正気と狂気の境目?純粋無垢な植物や果物の絵は、蠢く虫や生き物の様に生々しく、苦手だけれど何とも不思議な官能的でもある芸術。
やはり私はフランス、ヨーロッパ映画が好きだ、味わい深い色調、光と陰、自然光の奥行き感、気温や風や匂いまで感じさせる映像、クドくない説明的でない脚本と演出、静かで美しい音楽、、全てがたまらない。
http://www.youtube.com/watch?v=HpK_qugNHCM
http://www.youtube.com/watch?v=eiyk5pSKUf4

DVD 「The Royal ballet - The sleeping Beauty」 (2006)2011/05/20

DVD 「The Royal ballet - The sleeping Beauty」 (2006)
英国ロイヤル・バレエ団(英国輸入盤)チャイコフスキー3大バレエの1つであり誰もが愛してやまない有名過ぎる大作「眠れる森の美女」である。本作はバレエ団設立75周年を記念して、46年のセルゲイエフ/ド・ヴァロワ/メッセルの版を M.メイソン & C.ニュートンが再演出した2006年公演を収録した映像とのこと。(レビューより)100年の眠りから王子のキスで目覚め、少女から大人へと成長するオーロラをアリーナ・コジョカル、王子には正統派で安定した実力を持つフェデリコ・ボネッリ。コジョカルの可憐で華やかな容姿と安定したテクニックはオーロラにぴったり。第1幕の初々しさ、第2幕の王子を待つ幻影のせつなさ、そして第3幕の華やかさと豊かな表現力も見せている。青い鳥役で出演する日本人ダンサーの佐々木陽平の見事な跳躍も必見。
と、私にバレエは似つかわしく無いけれど、妻が好きでその影響が大。ネタばらしになるが、6年前某歌劇団の仕事に関わるにあたり体験も知識も無く困った。研究対象として当舞台はもちろん、他の劇団のミュージカルや舞台ではストレート過ぎる、、試行錯誤の結果たどりついたのはバレエの優雅な世界とポージングの完璧な美しさ。そもそもバレエの為に書かれた音楽だから音だけを聴くよりもよく分る、そして限りなくビジュアルイメージは広がるのである。
http://www.youtube.com/watch?v=t2nTjN7lwWo
http://www.youtube.com/watch?v=MaoUPKy2uYg

今日20日は結婚記念日 だからのチョイス。今年で27回目、いい加減な私に連れ添ってくれる辛抱強い妻に感謝!!心よりありがとう!これからも何とかお願いします・・・ネ。

映画「Chico & Rita」(2010)2011/05/12

Chico and Rita (2010)
今日の1枚はGW中にDVDで観たスペイン制作のアニメ映画「チコ&リタ」。フェルナンド・トゥルエバ監督と、バルセロナ オリンピックのマスコットで有名なハビエル・マリスカルの共同制作したアニメーション作品(今年のGOYA賞アニメーション部門受賞)。
40年代末キューバのハバナで出会った歌手とジャズ ピアニストの波乱の恋を、50年代当時のアフロ・キューバンの隆盛をバックグラウンドに描いたラヴ・ストーリー。音楽監修はストーリー中のピアニストのモデルになった偉人ベボ・ヴァルデス(チューチョ・ヴァルデスの親父さんで現在はスペインに移住)。なんともアニメならではの豪華ジャズ・ジャイアンツ総出演、ナット・キング・コール、ミゲリート・ヴァルデス、ベン・ウェブスター、ディジー・ガレスピー、チャーリー・パーカー、チャノ・ポゾ、ティト・プエンテ、ミゲリート・ヴァルデス他、当時実在したアフロ・キューバンにまつわる伝説のミュージシャンも登場、キューバ・ジャズシーンの超一流ミュージシャンが扮しているという凄いキャスティング。主人公のチコの演奏はベボ・ヴァルデス (セリフはエマール・ソル・オニャ)、リタの歌唱シーンはイダニア・ヴァルデス (セリフはリマーラ・メネーセス)が担当。たまらなくベタだけど切なくて思わず涙腺がゆるむ素敵な話、映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」と合わさって感慨一入、是非ご覧あれ。
http://www.youtube.com/watch?v=ZTWxB9hRjwI
http://www.youtube.com/watch?v=NQFkIl1kRyk
http://www.youtube.com/watch?v=bEHdnA_9iJI
http://www.youtube.com/watch?v=cqBffHFfD9M
マリスカル氏の「Cobi君」とは違う本来の達者で渋い色使いの絵は素晴らしい。