Paul McCartney - Kisses On The Bottom (2012)2012/03/07

Paul McCartney - Kisses On The Bottom (2012)
ポール·マッカートニー。70歳を目前にして氏 お気に入りの古き良きアメリカン·スタンダードをカヴァー、新曲も2曲収録の話題作である。この方がジャズ·テイストのスタンダード集を出したのは予想外、ロックの大御所たちは枯れてくるとロッドもリンダもボズもクラプトンも挙ってジャズヴォーカル集をリリースするのは不可解、私に限っては氏の歌う「ペイパー·ムーン」など聴きたくはないし正直つまらない、聴きこむことでこの印象が変化するとは思えない。とは言え本作はトミー·リピューマがプロデュース、アレンジとピアノはダイアナ·クラール、更にダイアナ·バンドが全面バックアップ。ポールは2曲でアコギを弾いている以外は珍しくヴォーカルに専念、お決まりのクラプトンとスティーヴィー·ワンダーが客演、ジョン·ピザレリのギターも洒落てるし、録音も良い、ノスタルジックな雰囲気満載、、書くべき事は多くあるのだが、肝心のポール氏の唄が・・・。私は解散以降が少々苦手でウイングス、ソロ名義含めて3〜4枚しか持ってない(ジョンもジョージもほぼ全作所有する)。どこが苦手か? 当たり障りの無い世渡り上手な処、音楽的にもマーケティング的にもガチガチに計算しつくされ隙がなさそうな処、稀代の天才然としたスタンスが鼻につくのである。もちろんソング·ライティングは上手いし、アルバムは秀作揃いと高く評価しているが、耳当たりは良いのだが何度も何年も経って聴きたいアルバムは少ない。イヤならヨセ だが期待しているからこそ辛口になるのである。そういえばリンゴ·スターの新作もあるがどうしようかな。
http://www.youtube.com/watch?v=cW6RH2bOwd8
http://www.youtube.com/watch?v=a4kMsMCKWGw
http://www.youtube.com/watch?v=o0uenXieYFo
ジャケットもマッカートニー氏らしくお洒落で豪華ということで。★★

Nick Lowe – The Old Magic (2011)2011/11/17

Nick Lowe – The Old Magic (2011)
ニック・ロウ。長い付き合いの英国ロッカーのこの方は昨日のウェイツ氏と同じ62歳、今やどちらもポップ・ロックの重鎮だが、歌声は対称的に穏やかで甘い美声。近年は氏が愛してやまない憧れの50~60年代古き良き米国のR&B、ロックンロール、カントリー等の良質なポピュラー音楽を目指されている。どうだって佳いが氏の若き頃 パブ・ロックの代表と呼ばれた Brinsley Schwarz/ブリンズレー・シュワルツ期を知っている私は、歳を重ね本作のような渋いポップスに到達されたことを、、いろいろあったのだろうなぁと複雑に思う。本作では飄々とした軽快さと、いぶし銀のような滋味がブレンドされた楽曲は、近年作の中では一番魅力的。味わい深いバラードも心温まる雰囲気にあふれ、軽快なテンポとおしゃれなコーラスのオールドタイムな魅惑のポップスに和むのも佳い、オールディーズの雰囲気が全開のスタンダードと呼べるほど美しいアルバムである。
http://www.youtube.com/watch?v=vA9Ej9qKRJY
http://www.youtube.com/watch?v=Wxf1otYDPuI
http://www.youtube.com/watch?v=_WCU84uE1EY
http://www.youtube.com/watch?v=TSlyn0WoSjc
ジャケットもオールディーズ風味、色もバランスも絶妙。★★★

Tom Waits - Bad As Me (2011)2011/11/16

Tom Waits - Bad As Me (2011)
トム・ウェイツ。米国ポップ・ロックの重鎮でシンガー・ソング・ライター、スタジオ作品としては7年ぶりの最新作。最初に書いておくが私はウェイツ氏の熱心なファンではない、初期の作品はともかく特徴的な嗄れた声=ダミ声(失礼)とそのクドい歌唱が苦手だ(と何だかんだ言いながらも聴いてはいる)。本作はゲスト参加のキース・リチャーズとマーク・リボー(レッチリのフリーも参加)で恐る恐るちゃんと聴くアルバムである。、、思いの外格好良い「声」もさほど気にならない微妙にソフトになられた?むしろ抒情的でエモーショナル、円熟の表現力と言うかオヤジのロックが十二分に伝わってくる。一筋縄でいかないメロディラインとあの声が、全体のトーンを決定づけながらも繊細でブルージィな世界観をたたえた本作は、過去作に例えれば「Rain Dogs」くらい?好いと感じた。武骨で素直なシニカルな詩と、癖のあるリズムで練りあげた楽曲は不思議にハマる。ジャジィなピアノも渋く「Last Leaf」のキースの投げやりなギターが切ない、、深まった秋に最適のアルバムだと思う。
http://www.youtube.com/watch?v=B6Ta3H-ck6s
http://www.youtube.com/watch?v=qeTja7JXK9A
ジャケットはおぼろに浮かぶウェイツ氏の笑みと街の灯。★★

SuperHeavy - SuperHeavy (2011)2011/09/26

SuperHeavy - SuperHeavy (2011)
スーパーヘヴィ。今話題のミック・ジャガー、デイヴ・スチュワート、ダミアン・マーリー(ボブ・マーリーの7男)、ジョス・ストーン、A.R.ラフマーン(インド映画音楽界の巨匠?)という新旧5人組によるスーパーバンド。レゲエ、ロック、ソウル、インド音楽、、と異なるジャンルの音楽と、アーチストそれぞれの実力や才能は認めるが、、、こんなハズは無い、時代錯誤な私の感性が古いのかと、何度聴いても統一感のない寄せ集め的な印象は残念。組み合わせはともかく、これだけのメンツなのでそれぞれの曲のクオリティは見事だし、4人のボーカルの存在感は圧倒的なんだけれど、なんとかロックアワードのコンピレーションを聴いている様で、ある意味実験的作品。まぁ、レゲェをベースにロックやソウルをゴチャ混ぜにしたユニークで不可思議な音世界はおもしろい、何より当事者たちは年齢に関係なく皆楽しそう。
http://www.youtube.com/watch?v=MTF7T1Nw5OU
http://www.youtube.com/watch?v=Hu_MhgIFDGM
http://www.youtube.com/watch?v=c-R9AbOjdN4
ジャケットのアートワークは古い手法だけれど新鮮、こちらはインド寄り?★★★

2つの台風を挟み暑かったり涼しかったり、中途半端な連休にも挟まれ体調を崩した。風邪なのか、なにかの植物のアレルギーなのかクシャミと涙で思考も覚束ない。今度こそ友人 I 氏のライヴを見ようと準備万端で会場に向かうも、薬が効かず途中で引き返したのは残念。

Michael Franks - Time Together (2011)2011/09/20

Michael Franks - Time Together (2011)
マイケル・フランクス。台風の影響で終日激しい雨、いくらか涼しくはなったが湿度は高い、こんな時は爽やかなジャズボッサで過ごそう。マイケル・フランクスは学生の頃「Art of Tea」からの長い付き合いで通算17枚目(5年ぶり)の新作は全11曲ともオリジナル。本作もいつも通りクールでジャジーな上質ポップスで(微妙にジャズでは無いと思う)新鮮味は無いが、そこが好い。バック・ミュージシャンはジャズ系を中心に腕利きが勢揃い、チャック・ローブやデビッド・スピノザのギター、ティル・ブレナーのトランペット、エリック・マリエンサルのアルト、マイク・マイニエリの涼しげなヴァイヴ、他が曲ごとに贅沢にフィーチャーされ音の絡み合いは実に心地良い。あの頃からほとんど上手くならないヴォーカルもすっかり味となり心に沁みる。適度にボッサで、ジャジーで、トロビカルで、メランコリックで、艶っぽい音、、、マンネリとも言えるが飽きずに懲りずに聴く事ができる。忘れた頃に必ず届く、何より安心出来る嬉しい1枚である。
http://www.youtube.com/watch?v=OTgJYPnB7eo
http://www.youtube.com/watch?v=T3Q_HcWQkMc
ジャケットはメルヘン画家「Kristina Swarner」の素敵な絵。★★★

夏前に2カ月も休んでしまったのが影響し、新譜の紹介時期がズレている、日々溜まり続ける音源や映像の消化も難しくなってきた、、どうしたものか悩ましい。